三原電化メモリアル・トレイン準急「びんご」     (2018.10.7)(2020.11.2)


 私が、ものごころついてから、憧れていた列車は、まず、特急「かもめ」です。ヘッドマークも誇らしげに、C59やC62が先頭に立っていました。しかし当時、列車は、電車(福塩線の茶色の17m国電)も客車も茶色しか知りませんでした。昭和33年10月から、20系「あさかぜ」、その後も「さくら」「はやぶさ」など走っていたはずですが、福山通過は深夜のこと、見たことはありません。そして、昭和35年6月、山陽線に、DC55系の急行「山陽」や準急「にしき」「吉備」が登場し、色付きの列車が嬉しかった記憶があります。そして、昭和36年10月三原電化時に登場した湘南色新型電車が、準急「びんご」です。私は当時、小学校2年で、新型の電車を見たのはこの時が初めてでした。また、この「びんご」と同時に82系DC特急「かもめ」が登場します。両方とも印象が鮮烈でした。何しろ運転席の局面ガラス、「かもめ」に到っては大きく側面まで廻り込んだパノラミックウィンドウです。
 その時、電化を記念してかどうか、小学校の行事で皆で福山駅へ写生に行きました。「びんご」の絵を描いて、特選を貰ったのを覚えています。小学校2年生の昭和36年10月から今、もう既に半世紀以上経ち(「びんご」登場から今年で57年)、還暦もとっくに過ぎ、先日、めでたく(?)前期高齢者になってしまいました。


 さて、実物の編成です。

「びんご」大阪―三原間  昭和36年10月三原電化と同時に新登場、昭和41年3月に急行格上げ、昭和43年10月「とも」に改称。「とも」は昭和47年3月新幹線岡山開業まで。

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クハ153 モハ152 モハ153 サロ153 サハ153 サハ153 サハ153 モハ152 モハ153 クハ153


模型のこと

 1998年、KATOが「165系急行電車」を発売して以来、「まだかまだか」と発売を期待していたのが、「153系」です。それから10年経った2008年、心待ちにしても、なかなか出てこないものですから、意を決して165系から153系への改造に取り掛かりました。
 2両分のモハ164のボディーと、2両分のクモハ165の下廻りを短縮したものを組み合わせ、2両のモハ153に。東京堂モデルカンパニー碑文谷製作所の非常に高価な無塗装クハ153低運転台ボディーを2つ。そして、台車は日光のDT24とTR59などなど。もう元には戻れません。
 
 とっ!とっ!・・・ところがです。元には戻れない2009年12月。あれほど待って出なかった153系が、TOMIXから発売されたのです。・・・ショックでした。165系に戻すには、クモハ165のボディーはそのままにしていますので使えるのですが、下廻りは、また切断して再度延長するのは至難の業です。トホホホ・・・。
 TOMIXの153系は、それはそれで買い揃えました。さあ、この165系改造はどうしよう。長らく、気力も無く、ほったらかしにしていましたが、改造開始から10年、このたび準急「びんご」として、再び甦らそう。・・・ということで、この度、手を付けました。床下機器や妻面など、細かい点で165系そのままで、手を加えていないところもあり、正確には153系タイプということで、自己都合、自分本位、自己満足、ごまかし、手抜き、お許し下さい。
 編成は、TOMIXの「サロ153」を加え、「サハ153」3両のうち2両は省略。KATO 165系製品は冷房化されていますが、昭和40年頃の準急「びんご」を目指して、これを非冷房化しています。

6両分の屋根の非冷房化に着手。
奥から2両のモハ164の屋根を2両のモハ153の屋根に。
2両のモハ164の屋根を2両のモハ152の屋根に。
クモハ165、クハ165の屋根を2両のクハ153に。 
元々のKATOの165系用だけでは全く足らないので、TOMIXの押込みベンチレーターも購入して同じ色に塗装します。形態は若干違いますが、妥協します。 
2両のモハ164を2両のモハ153に変更するにあたり、妻面の配管など削り取ります。の 
東京堂モデルカンパニー碑文谷製作所の非常に高価な無塗装クハ153低運転台ボディー2つ。 
クモハの車体が余っていますので、これを利用し、サハ153を製作することにしました。
まず、使用しないクモハ165の車体の輪切り切断です。 左の運転室部、右の連結面妻部。
上の写真の右の連結面妻部を、左写真の左の連結面妻として接着。 
またまた、輪切り切断。この左側を使います。 
もう一つの使用しないクモハ165の車体をまたまた、輪切り切断します。 この右側を使います。
この2つの切断された車体を接続します。 
サハ153の車体となりました。 
屋根も同様に接続していきます。
これもプラの嵌め合わせを検討しながら、クモハの屋根の継ぎはぎです。
クーラー部突起とベンチレータ突起部の撤去。 
撤去後の穴埋め。 
ペーパー掛け。 
屋根、車体とも塗装が残りました。
床下は、モーター付きのクモハのものを使用、モーターは外し、機器類はモハ153動力車に移設。サハ床下としては「らしく」です。 
塗装後、完成。 
 
当初、2両分のモハ164のボディーと2両分のクモハ165の下廻りを短縮したものを組み合わせ、2両のモハ153に設定していました。しかし、1両は動力車、1両はモーター無のトレーラーでした。1両の動力車で7~8両を動かすのはちょっと酷。なので、エンドウのMPギアシステム仕様の動力車1両と変更しました。
床板をTOMIXの連結器取付のために加工しました。
このモハ153③号車、隣に接続されるサロ153④号車は連結器TOMIX、この両隣、つまり②号車モハ152、⑤号車サハ153の片側をTOMIXの連結器としました。あとはKATOの連結器のままです。
(下左右の写真)モハ153の3態、上から
TOMIX製モハ153
KATO165改MP化モハ153
KATO165改モハ153
(左写真上)TOMIX製モハ153
(左写真下)KATO165改MP化モハ153 床下機器は、モーター付きのクモハのものから移設。 
 
(上写真上)TOMIX製モハ153(上写真下)KATO165改モハ153 (上写真左)TOMIX製モハ153(上写真右)KATO165改モハ153 
 
(上写真上)TOMIX製モハ152(上写真下)KATO165改モハ152 (上写真左)TOMIX製モハ152(上写真右)KATO165改モハ152  
 
(上写真上)TOMIX製モハ152(上写真下)KATO165改モハ152  (上写真上)TOMIX製モハ152(上写真下)KATO165改モハ152 
 
(上写真上)TOMIX製クハ153(上写真下)KATO165改クハ153高運転台 (上写真左)TOMIX製クハ153(上写真右)KATO165改クハ153高運転台 
 
(上写真上)TOMIX製クハ153(上写真下)KATO165改クハ153高運転台  (上写真上)TOMIX製クハ153(上写真下)KATO165改クハ153高運転台 
東京堂モデルカンパニー碑文谷製作所の非常に高価な無塗装クハ153低運転台ボディー2つは、数回塗装を繰り返しましたが、結局塗装が上手く乗らず、東京堂のものは取り敢えず保留。
プラ塗料でもプライマーがあるはずですよね?
 
取り敢えず、クハ165改の高運転台クハ153を「びんご」用にヘッドマークを取り付けましたが、昭和36年の「びんご」は、やはり低運転台。
左は渡り板のモールドを削除しただけ、右はモールドそのまま。 
「びんご」用クハ153低運転台は、TOMIXのクハ153低運転台を「宮島」から流用し、クハ165改の高運転台クハ153は、「宮島」編成に組み込みました。 
左写真は、両方とも渡り板のモールドを削除し、固定渡り板を接着。



(2020.11.2new) この度、室内灯をLEDの製品に取り換えました。

(2020.11.2)(説明文訂正2020.11.4)

この準急「びんご」編成の中心はKATO製の165系改造で、室内灯はKATOの「7-501」室内灯を取り付けていましたが、暗いという不満がありました。この度その室内灯をLEDの製品に取り換えてみました。
次々行の写真の如く、カンテラ工房が販売する「花蓮 極ストレート (昼白色)6両セット TOMIX製HO車両用半田済みLEDテープ室内灯」という製品です。
同時にカンテラ工房が販売する「TOMIX製特急車両向け枕カバー すずめ模型製3Dプリントパーツ」をグリーン車に取り付けました。

写真はTOMIX製サロ152(左)とサロ153(右)
  
サロ152(左)とサロ153(右) 
この度取り付けたLED室内灯は安定した明るさの性能で、満足いくものです。  
 
サロ152への取り付けを示します。

写真下は、1mm厚のプラ板とLEDテープを取り付けた状態。 
TOMIXの車両は前後2か所に各2本の集電板が立っていますが、片側2本を使用するのみ。

枕カバーの取り付けは簡単で、見た目も効果あり。  
 
 
165系改造のKATO製の車両に取り付ける方法を考えましたが、あっさり決めました。KATOの「7-501室内灯」のプリント基板からシューを外し、シューにリード線をハンダ付けし、スプリングを外したLEDテープのスプリング跡にリード線をハンダ付けしました。
車体からは、やはりKATOの集電板を立てて、シューにはめ込むだけです。(この写真では集電板は写っていませんが、次の行の写真には写っています。)  
車体への取付け状態。 
我が準急「びんご」8両編成。
LED照明の明るい部屋の中でも、はっきり明るさが認識できるようになりました。   
暗い中での運転が楽しくなります。 

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